最終更新日 24/09/13
国内スタートアップ

【Ene Track】世界でも珍しい、再生エネルギーのマッチングプラットフォーム

IT
Share this post
引用元:https://www.scsk.jp/corp/business/story06/)

EneTrackは、大手SIerであるSCSK株式会社が新規事業として立ち上げた、I-REC(国際的な再生エネルギーの属性証書)のプラットフォームです。
EneTrackは、再生可能エネルギーの需要に応え、発電事業者と需要家企業のマッチングを行っています。
そんな、EneTrackは、SCSK社内で、新規事業開発を目的にした社内コンテストから生まれました。
この記事では、SCSKの新規事業コンテストについても紹介していきます。

事業紹介:煩雑なI-REC手続きを、WEB上でスマートに

(引用元:https://www.scsk.jp/corp/business/story06/https://www.scsk.jp/sp/enetrack/topics/page002/#:~:text=再エネ発電者にとって,権を持てることです。&text=こうしたメリットは、再エネ,投資にもつながります。https://www.scsk.jp/sp/enetrack/topics/page002/

EneTrackはWEB上で、I-RECの①発行、②移転、③償却といった一連の流れを可能にします。
以下では、この機能について詳しく紹介していきます。

①発行
EneTrackは、属性トラッキングシステムである Evident Evと連携しており、再生エネルギー属性証書の申請から発行までが可能です。
また、ローカルグッド創成支援機構に、第三者認証を委託しているため、不正が起きにくい仕組みにもなっています。

②移転
再生エネルギーをEneTrack上で発電者から受け取り、需要家に配分しています。
そのため、発電者が需要家を探す必要がありません

③償却
電力を使用した際には、そのエネルギーのI-REC(再生エネルギー属性証書)を無効化する必要があります。その手続きも、EneTrack上で行われるため、発電者や需要家の工数を削減することができます。

このようなEneTrackのサービスを通じて、I-RECを利用する発電事業者と需要家企業に様々なメリットをもたらしています。
次の章では、Ene Trackのメリットについて発電家側の視点から紹介していきます。

【EneTrack】の3つのメリット

①需要家企業を探す必要がない
オンライン上で発電事業者と需要家企業のマッチングを行うことができ、簡単にパートナーを見つけることができます。

②すぐに電力の販売ができる
EneTrackによる手続きの簡易化で、I-RECの発行後にすぐに電力の販売が可能になります。

③簡単に価格を変更できる
再エネ発電者が設定したI-RECの販売価格は、販売状況に応じて上下させるといった対応が可能です。

沿革:社内コンテストから、世界への事業拡大

(引用元:https://www.scsk.jp/corp/business/story06/

EneTrackは、SCSK社内の新規事業開発を目的にした社内コンテストから生まれました。

その後2020年4月に、SCSK内のプロジェクトとしてスタートします。

新規事業アイデアを事業化する際の後方支援チームである「事業化ガレージ」の支援を受けながら、開発が進められました。

3年後の2023年4月にEneTrackチームとして独立し、同年7月にはサービス提供を開始します。
その後は、グローバルにみても数少ないI-RECの認定プラットフォームオペレーターとして、活躍しています。

【SCSKの新規事業創出制度】

(引用元:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00438/00014/

SCSKでは、新規事業開発を目的としたコンテストが1年に1回、開催されています。 そのコンテストに加え、新規事業を支援するサービスが以下の2つです。

【Zero One TEBIKI】
Zero One TEBIKIとは、SCSKオリジナルの事業創出のための手引書です。
事業創出を実現するためのプロセスや考え方が記載されており、SCSK社内の事業化を促進する道しるべのような存在となっています。

【事業化ガレージ】
事業化ガレージは、Zero One TEBIKIの実行プロセスをベースにした、事業創出活動を支援するサービスです。 事業創出の担当者を後押しすることを目的とし、事業化プロセスの各フェーズで必要な機能を提供し、開発をサポートしています。例えば、テーマ検証や調査などです。

市場規模:I-RECの発行国・発行量ともに拡大中

(引用元:https://www.fuji-keizai.co.jp/press/detail.html?cid=22114&view_type=2&la=ja#:~:text=2022年度の再生可能,弱を占めている。https://localgood.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/I-REC-in-Japan20231219.pdf

ローカルグリットのレポートによると、2021年のInternational REC Standard Foundationのデータでは、I-RECの発行量は2015年から2021年の6年間で、約20倍になっていることがわかります。

EneTrackは、グローバルにみても数少ないI-RECの認定プラットフォームオペレーターです。
年々増加している、I-RECの発行量に合わせて、Ene Trackの需要も急速に拡大していくでしょう。

将来展望:再生エネルギーの環境価値を高めるパイオニア

(引用元:https://www.scsk.jp/corp/business/story06/・https://www.scsk.jp/sp/enetrack/topics/page004/

EneTrackチームへのインタビューによると、2023年7月のサービス提供開始後、現在は少しずつ認知度をあげ、支持者・利用者を増やしている段階だそうです。

また、以下のEneTrackの記事から、再生エネルギーの環境価値を高めることで、より高い経済的対価を得られるということがわかっています。

再エネ発電者がI-RECを求める理由は、自社が発電する再エネの環境価値を正当に評価してもらうことで、より高い経済的対価を得られるためだ。前述のとおり、国際標準のエネルギー属性証書であれば、需要家企業がエネルギーの属性を基準に自ら選択できる。 人気のある属性をもつエネルギー属性証書には高い価格がつき、そうでない証書は安い価格になるといったように、属性によって価格が変動する。再エネ発電者は、市場が求めている再エネを創出することでより高い価格で販売でき、発電設備の投資効率の向上、ひいては社会全体の再エネ利用拡大にもつなげられる。

ここからEneTrackが、再生エネルギー発電者の可能性を切り開いていく存在であることがわかります。

まとめ

今回は、社内の新規事業コンテストから生まれた、EneTrackについて紹介してきました。
New Venture Voiceでは、このようなベンチャー企業について紹介しています。
EneTrackのように、SIerの社内ベンチャーから生まれた企業についてもまとめているので、ご覧ください。

企業情報

会社名    SCSK株式会社

代表者    當麻 隆昭

本社所在地  東京都江東区豊洲3丁目2−20

設立年月日  1969年10月25日

資本金    212億8,500万円

従業員数   15,328人(2023年3月31日現在)

タイトルとURLをコピーしました