最終更新日 24/07/05
注目企業海外スタートアップ

【Instacart】 食料品版Uber Eats

農業食品
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当メディアではこれまで「食」に関する注目企業として「Oishii Farm」 や「Impossible Foods」、「OATLY」 などを紹介してきました。 今回は、上記の「食」を「デリバリー」する海外のユニコーン企業に注目したいと思います。 「Instacart (インスタカート)」は、アメリカのサンフランシスコに拠点を置くデリバリー企業です。アメリカとカナダで利用できる食品の配達、およびピックアップサービスを提供しています。 本記事では、「Instacart (インスタカート)の事業内容や上場経緯、将来展望等を紹介します。

事業内容

「Instacart (インスタカート)」は、アメリカとカナダで利用できる食品の配達、およびピックアップサービスを提供しています。

現在は大きく3つの事業を展開しています。

  • Instacart Marketplace:消費者と小売店をつなぎ、ギグワーカーによる即日配達
  • Instacart Enterprise Platform:小売業者向けにEコマース、受注〜配送までの情報提供
  • Instacart Ads:購入データを活用した、ターゲットとメッセージを最適化できるデジタル広告サービス

同社のサービスは、以下の3者それぞれにメリットがあります。

  • 消費者(Consumers):食料品を購入するためのアプリを使用する人
  • ワーカー:食料品を配送するギグワーカー
  • 小売業者:食料品を販売する店舗

上記それぞれのメリットと紹介していきます。

消費者(Consumers):食料品を購入するためのアプリを使用する人のメリット

「Instacart (インスタカート)」は、食料品購入に特化したアプリとウェブサイトを提供しています。具体的には、消費者はインターネット上で食料品を閲覧・購入することができます。さらに、数時間以内に自宅まで配送してもらうことも可能です。「Instacart (インスタカート)」は、地元の食料品店・小売店・コンビニエンスストアを一元化しているため、消費者はさまざまな商品を店に限定されることなく、検討することができます。 さらに、ショッピングにかかる時間の節約にも繋がります。インターネット上で商品を比較検討し、ドライバーが配送するために、実際に店舗に赴いて商品を購入する手間が省けます。

ワーカー:食料品を配送側のメリット

「Instacart (インスタカート)」は、配送を行うギグワーカーにとってもメリットがあります。 「Instacart (インスタカート)」での配送は、食料品のUber Eats のようなものです。Uber Eats は料理をドライバーが購入者のもとまで届けますが、「Instacart (インスタカート)」は、食料品を購入者の家まで配送するイメージです。

「Instacart (インスタカート)」の配送者は自分の働く時間を自由に選択できるため、自分のスケジュールに合わせた仕事が必要な人々(ギグワーカー)にとっての大きな収入源となります。また、同社は、効率的で効果的な配送を実現するための技術を開発しており、均衡供給と需要をバランス良く調整して十分な店舗を確保しています。例えば、悪天候や祝日などで均衡が乱れる場合、ワーカーの数を増やすことで対応します。

Instacartと提携する小売店や食料品店のメリット

「Instacart (インスタカート)」に登録した小売店や食料品店は、新たな販売チャネルを確保することができるという大きなメリットがあります。さらに、消費者の需要・顧客傾向等の情報の獲得も期待できるため売上向上につながる可能性が高いです。

市場:「Instacart (インスタカート)」の独占状態

「Instacart (インスタカート)」は、2021年4月時点で米国の世帯の85%以上とカナダの世帯の70%以上で食料品ECサービス市場をほぼ独占しています。配達によるEC注文は今後も成長が期待されています。

競合として、DoorDashやUberといったデジタル食料品販売を手掛ける企業は存在していますが、実質同社による独占状態が続いています。

さらに、食料品ECサービス市場に関しては、2021年の評価額が2857億ドルかつ、2030年までに25.3%のCAGRで成長すると予想されています。食料品ECサービス市場は成長市場といえます。

会社沿革と資金調達

「Instacart (インスタカート)」は、2012年Amazonの元従業員、Apoorva Mehta氏により創設されました。最初のサービスは、サンフランシスコで開始されました。

2015年1月時点での合計資金調達額は約2億7500万ドルに達し、当時、フォーブス誌は同社を「アメリカで最も有望な企業」と称しました。

2017年3月時点で、同社は25州の1200の都市で構成される36の市場でサービスを提供しています。

さらに同年、4億ドルの大規模な新規資金調達により、同社の企業価値は約34億ドルと評価されました。

そして、2023年9月19日に、「Instacart(インスタカート)」は、ナスダック市場に上場しました。
評価額は、上場時は99億ドル(約1.4兆円)と大型IPOとなりました。

会社概要

会社名:Instacart
URL:instacart.com
設立 :2012年
本社所在地:アメリカ合衆国(サンフランシスコ・カリフォルニア)
設立者:Apoorva Mehta氏
サービス:食料品配達

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