Nature株式会社は、「自然との共生をドライブする」をミッションに掲げるスタートアップです。
主な事業内容は、スマートリモコン「Nature Remo」シリーズの開発・製造・販売、およびそれを用いた電力事業です。
本記事では、同社の主力サービスである「Nature Remo」シリーズの紹介や、資金調達等を説明しています。
事業内容:スマートリモコン「Nature Remo」シリーズ
Nature株式会社の主な事業内容は、スマートリモコン「Nature Remo」シリーズの開発・製造・販売、およびそれを用いた電力事業です。
同社は、IoT技術を活用して、環境に優しい生活スタイルを実現することを目指しています。具体的には、スマートホーム技術を通じて、家庭のエネルギー使用を最適化することで電力の効率的な利用を支援しています。
主力サービス
Nature株式会社の主力サービスは、スマートリモコン「Nature Remo」シリーズです。このシリーズには、主に以下2種類の製品があります:
- Nature Remo: スマートフォンを使って家電を遠隔操作できるスマートリモコンです。エアコンやテレビなど、赤外線リモコンで操作する家電を、スマートフォンアプリから制御できるようになります。
- Nature Remo E: スマートフォンHEMS(Home Energy Management System)と呼ばれる製品です。コンセントに挿すだけで、家庭の電力消費状況や電気料金の目安を確認できます。さらに、太陽光発電システムや家庭用蓄電池とも連携し、より効率的なエネルギー管理を可能にします。
これらの製品は、ユーザーの日常生活をより便利にするだけではありません。エネルギーの効率的な使用を促進し、環境保護にも貢献します。例えば、外出先からエアコンの電源を切ったり、太陽光発電の発電量に応じて家電の使用を調整したりすることができます。
Demand Response(デマンドレスポンス)
Nature株式会社は、スマートリモコン「Nature Remo」シリーズを活用したDemand Response(デマンドレスポンス)サービスも提供しています。
このサービスは、電力会社と協力して行われ、電力需要のピーク時に家庭の電力使用を自動的に調整します。これにより、電力網の安定性を維持し、再生可能エネルギーの効率的な利用を促進しています。
創業の経緯:人の暮らしを本当によりよいものにしたい
Nature株式会社は、2014年に設立されました。創業者である塩出晴海(しおで はるうみ)氏は、テクノロジーの進化が本当に人々の暮らしや感覚を心地よいものにできているのかという疑問から、この会社を立ち上げました。
塩出氏は、既存のスマートホーム製品に違和感を覚えていました。多くの製品が複雑で使いにくく、日常生活にうまく溶け込んでいないと感じたのです。そこで、より直感的で使いやすい、そして環境にも配慮したスマートホーム製品を作ろうと決意しました。
Nature株式会社の創業理念は、「自然との共生をドライブする」というものです。これは、テクノロジーを活用して人々の生活を便利にするだけでなく、同時に環境保護にも貢献したいという思いを表しています。
創業当初は、スマートリモコン「Nature Remo」の開発に注力しました。この製品は、既存の家電をスマート化することで、新しい家電を買い替えることなく、スマートホームの恩恵を受けられるようにすることを目指しました。
その後、エネルギー管理の重要性に着目し、2019年には「Nature Remo E」を発売してエネルギーマネジメント事業に参入しました。これにより、単なるスマートホーム企業から、エネルギー管理のプラットフォームを提供する企業へと進化を遂げています。
塩出氏のビジョンは、テクノロジーと環境保護の両立です。スマートホーム技術を通じて、人々の生活をより便利にしながら、同時にエネルギーの効率的な利用を促進し、環境負荷を減らすことを目指しています。
資金調達:2023年に10.2億円の資金調達に成功
Nature株式会社は、2023年に10.2億円の資金調達を実施しました。
この資金調達には、複数の投資家が参加しています。
具体的には、博報堂DYベンチャーズ・三菱UFJキャピタル・SMBC ベンチャーキャピタル・みずほキャピタル・三井住友海上キャピタルなどが名を連ねています。これらの投資家の参加は、Nature株式会社の事業モデルと将来性に対する高い評価を示しています。
博報堂DYベンチャーズの投資担当者は、Nature株式会社の製品が、日々の生活によく溶け込み、無意識的に働きかけている点を高く評価しています。また、これらの製品の普及が、人と環境の調和に大きな影響を与える可能性があると指摘しています。
三菱UFJキャピタルの投資担当者は、Nature株式会社のエネルギーマネジメントプラットフォーム構築という壮大な事業ビジョンに共感し、投資を決定したと述べています。
この資金調達により、Nature株式会社は事業拡大と新製品開発を加速させることが可能になりました。特に、エネルギーマネジメント事業の強化や、デマンドレスポンスサービスの拡充に注力することが期待されています。
また、この資金調達は、Nature株式会社の企業価値と市場での評価を高めることにもつながっています。環境技術やエネルギー管理の分野で注目を集める企業として、今後さらなる成長が期待されています。
将来展望:エネルギーマネジメント領域へ
Nature株式会社は、今後さらなる事業拡大と新しい分野への進出を計画しています。主に以下の分野に注力していく方針です。
- エネルギーマネジメント事業の強化: Nature株式会社は、スマートホームからエネルギーマネジメントへと事業領域を拡大しています。今後は、家庭用エネルギー管理システムの機能をさらに強化し、より効率的なエネルギー利用を可能にする技術の開発に注力します。
- Demand Response(デマンドレスポンス)サービスの拡充: 電力会社向けのデマンドレスポンスサービスをさらに発展させる計画です。特に、家庭用蓄電池を活用した新しいサービスの開発に力を入れています。これにより、電力需要の調整をより効果的に行い、再生可能エネルギーの普及を促進します。
- パートナーシップの拡大: 電力会社や家電メーカーとの協力関係をさらに強化し、より包括的なエネルギーマネジメントの提供を目指します。
これらの取り組みを通じて、Nature株式会社は、エネルギーマネジメントのプラットフォームを構築していくでしょう。同時に、人々の生活をより便利で快適にするテクノロジーの開発と普及に注力していく方針です。
市場規模:2030年には、9000億円を超える市場
Nature株式会社が関わる市場は、主にスマートホーム市場とエネルギーマネジメント市場の2つに分類できます。これらの市場は近年急速に成長しており、今後も拡大が見込まれています。
- スマートホーム市場: 日本のスマートホーム市場は、2017年にNature株式会社が「Nature Remo」を発売して以来、急速に拡大しています。
- エネルギーマネジメント市場: エネルギーマネジメント市場も急速に成長しています。特に、再生可能エネルギーの普及に伴い、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)の需要が高まっています。
上記市場の拡大により、2030年には、9000億円を超える市場規模と推定されています(Nature株式会社より)。
さらに、グローバルな観点でもスマートホーム市場は拡大しています。
スマートホームの世界市場規模は2017年に約3.6兆円を記録しており、2030年には約45兆円になると予測されています(A.T.Kearney analysis より)。世界で見ても、成長している市場と言えます。
以上のように、Nature株式会社が関わる市場は今後も大きな成長が見込まれており、同社のさらなる発展が期待されています。
会社概要
社名:Nature 株式会社 (Nature Inc.)
所在地:〒221-0052 神奈川県横浜市神奈川区栄町1-1 KDX横浜ビル 11F
事業内容:Nature Remoシリーズの開発・製造・販売、及びそれを用いた電力事業
設立:2014年12月10日
代表者名:塩出 晴海(しおで はるうみ)